過去5年間 横断歩道での交通事故 “減速車は1割未満” 警察庁
2024年3月28日 11時29分 事故
警察庁が過去5年間に信号機のない横断歩道で起きた交通事故およそ2600件を分析したところ、横断歩道の手前で減速した車は1割に満たなかったことが分かりました。警察庁は「歩行者優先の意識の徹底」を春の全国交通安全運動の重点項目の1つとしてドライバーに呼びかけることにしています。
警察庁によりますと、横断歩道を渡っているときに車などにはねられて死亡したり、重傷を負ったりした歩行者は去年、2841人に上り、前の年より174人増えました。
警察庁が去年までの5年間に信号機のない横断歩道で起きた、歩行者と直進する車が衝突した死亡・重傷事故2627件について分析したところ、横断歩道の手前で減速していた車は147台にとどまり、1割に満たなかったということです。
また、ドライバーが横断中の歩行者に気づいた時点の速度は、歩行者の致死率が上がるとされる時速31キロ以上の車が全体の6割を超えていました。
道路交通法では
▽横断歩道を渡ろうとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、その手前で停止できる速度で走行することや
▽横断歩道を渡っている、または渡ろうとしている歩行者がいるときは、その手前で一時停止することが義務づけられています。
警察庁は来月6日から始まる春の全国交通安全運動で「歩行者優先の意識の徹底」を重点項目の1つとしてドライバーに呼びかけることにしています。
JAF=日本自動車連盟は、信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしているときに一時停止した車の割合を全国で調査しています。
去年、全国の7000台余りを対象に行われた調査では全国平均は45.1%で、
一時停止率が最も低かったのは
▼新潟県の23.2%
次いで
▼佐賀県の26.2%
▼福井県と大阪府の26.7%でした。
一方、最も高かったのが
▽長野県の84.4%
次いで
▽石川県の76.4%
▽栃木県の74.8%などとなっています。
一時停止率の全国平均は年々上昇していますが、JAFは「信号機のない横断歩道で多くの車が止まらない状況を変えるには、ひとりひとりの思いやりが必要だ」としています。
【都道府県別 一時停止した車の割合】
▽北海道29.0%
▽青森47.4%
▽岩手56.2%
▽宮城51.9%
▽福島60.8%
▽秋田52.1%
▽山形53.6%
▽新潟23.2%
▽長野84.4%
▽茨城27.6%
▽栃木74.8%
▽群馬41.1%
▽埼玉38.9%
▽千葉31.9%
▽東京39.6%
▽神奈川29.1%
▽山梨61.0%
▽富山50.0%
▽石川76.4%
▽福井26.7%
▽岐阜65.4%
▽静岡63.9%
▽愛知61.2%
▽三重51.3%
▽滋賀46.3%
▽京都34.6%
▽大阪26.7%
▽兵庫52.0%
▽奈良48.1%
▽和歌山30.1%
▽鳥取50.0%
▽島根53.0%
▽岡山47.8%
▽広島48.5%
▽山口48.5%
▽徳島36.7%
▽香川39.1%
▽愛媛58.5%
▽高知35.3%
▽福岡58.1%
▽佐賀26.2%
▽長崎42.5%
▽熊本66.1%
▽大分31.1%
▽宮崎63.6%
▽鹿児島42.8%
▽沖縄31.1%
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240328/k10014404881000.html